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水防工法とクアドラフォグノズルの取り扱いを重点に置いた訓練を実施
令和4年5月15日(日)、青葉繁れる好季節を迎えるなか、枚方市消防団では班長職以上の階級にある者を対象に中堅幹部教育訓練を実施しました。
今回の中堅幹部教育訓練は、枚方市消防団として初めて水防工法とクアドラフォグノズルの取り扱いを重点に置いた訓練内容であり、訓練実施場所も貯水が豊富にある枚方市北部下水処理場を初めてお借りして行われました。
この水防工法とクアドラフォグノズルの取り扱いを訓練の主体とした目的は、消防団は地域住民の最も身近な防災機関であり、消火活動をはじめ各種防災活動、特に昨今の気候変動による風水害への出動機会が予測される中、消防団においても水防工法等の知識及び技術を習得する必要があると考えます。
また、消防車両更新時、新たに導入を進めているクアドラフォグノズルの正しい取り扱いを習得し、事故防止に努めることが目下の課題であります。
このことから、令和4年度の中堅幹部教育訓練では、水防工法及びクアドラフォグノズルの取り扱いを重点に置いて訓練を実施し、消防団員の活動力を高め、消防団組織力の向上を図ることを目的としています。
クアドラフォグノズルとは?
クアドラフォグノズルは、ガンタイプノズルの筒先であり、小型かつ軽量で操作性に優れています。
放水量は流量切替用リングを操作する事により、OFFから470L/minまで手動により数段階切り替えることができます。
また、0.7MPaの圧力において、先端部の回転歯が動作するこで、きめ細かな噴霧状態を作りだす事が出来ます。
班長職以上の階級者が訓練に参集
この中堅幹部教育訓練は午前9時から正午までの3時間で行われました。
訓練開始に先立ち、上田消防団長より挨拶があり、続いて枚方市役所危機管理部 竹島部長、枚方寝屋川消防組合枚方消防署 足立署長からご挨拶を頂きました。
上田消防団長より、風水害の恐ろしさを知ると共に、確かな知識と技術をこの中堅幹部教育訓練で習得し、ここで得た事を各分団・各班へ持ち帰り、定期訓練等で団員へ教示する様に指導方針が示されました。
訓練を開始する前に参加者全員で準備運動がおこなわれ、体を動かす事で怪我等をしないように予防策がとられました。
また今回の訓練は、高圧の消防用ホースを使用したり、重量のある土のうを取り扱うので、短絡作業を行い事故を惹起させる事が無いように注意がありました。
訓練は4班に別れて実施され、訓練内容は『土のう作成』『土のう搬送・積土のう工』『クアドラフォグノズルの取り扱い説明』『クアドラフォグノズルの取り扱い訓練』の4科目からなり、輪番で幹部団員全員がすべてのカリキュラムを行いました。
訓練体形(班編成)
第1班 枚方分団 9名・蹉跎分団 9名・川越分団 9名
第2班 山田分団 12名・殿一分団 13名
第3班 殿二分団 11名・樟葉分団 9名・女性分団 5名
第4班 津田分団 9名・菅原分団 8名・ 氷室分団 8名
水防工法
土のう作成
土のうの作成訓練には、上下水道局職員の指導のもと、二人一組でバディを組み、土のう袋へ砂を詰める作業から、土のう袋を結ぶ技術を学び、出来上がった土のうは、次の積土のう工訓練に使うため、幹部団員が手分けして効率よく搬送しました。
▲土のう袋の結び方(音が出ます。)
土のう搬送と積土のう工
土のう搬送と積土のう工の訓練では、上下水道局職員、水防団の方から、土のうを積む際の法則と方法の説明を受け、その説明に基づいて実際に土のうを積み上げました。
また質疑応答では、土のう袋に土を詰める際、重さはどれくらいにするのかや、砂や土、泥など、どのような土を詰めても大丈夫なのかなどの質問がありました。
▲水防団員指導による積土のう工(音が出ます。)
クアドラフォグノズル
取り扱い説明
クアドラフォグノズルの取り扱い説明訓練では、枚方消防署の指導員により詳細な説明がありました。
今まで枚方市消防団の主力として使用してきた「正管そう」とは仕組みも操作方も異なるので、戸惑う声も聞かれましたが、全員が理解の習熟に努め、次の取り扱い訓練までに仕組みを把握しました。
取り扱い訓練
実際にクアドラフォグノズルを使用して放水を行い、先ずは調整ダイヤルを操作して放水量を調整してみます。
従来型の管そうの様に、放水時の強い衝撃を受け止めるべく体勢を取りましたが、予想以上に衝撃が少なく、驚く幹部団員が多くおりました。
そして次に噴霧状態で放水をおこないます。
このクアドラフォグノズルの先端部には、回転歯が備えられており、優れた自衛噴霧効果を作り出せれるのも大きな特徴のひとつであります。
そしてこの機能は、火災現場おいて消防団員の安全を確保する事に貢献するものです。
風水害にも対応できる消防団へ
大きな河川を複数にもつ枚方市に於いては、水害が発生した場合に初期対応を迅速に行う事が、その後の被害軽減の鍵となります。
枚方市消防団では、これから気象変動で起こり得る風水害に対処すべく、風水害にも対応した専門的な訓練も積極的に取り入れ、所属団員の知識と技能の向上に努めます。
そして今後も、近隣消防組織のほか水防団(淀川左岸水防事務組合)との連携を密にし、来たるべく水害に向けて、万全な体制で臨める様に組織力の向上も図ってまいります。
●水防団・淀川左岸水防事務組合との連携に付いては、こちらをご覧下さい。