令和6年11月10日(日)に枚方市出口にある枚方寝屋川消防組合土砂災害訓練場において、枚方市消防団東部方面に所属する、殿二分団、樟葉分団、津田分団、菅原分団、氷室分団ならびに女性分団の団員による土砂災害対応訓練を実施しました。
目次
訓練開式
近年、線状降水帯の発生による大雨や、7月から10月にかけて多く発生する台風により、全国的に大規模な土砂災害が増加しています。
枚方市にも土砂災害警戒区域(地滑り、土石流)及び急傾斜地土砂災害特別警戒区域があります。
平成8年10月19日に枚方市杉で地滑りによる家屋倒壊1棟の被害が発生し、最近では令和3年5月に枚方市伊加賀北町で法面(のりめん)が崩落する土砂災害が発生しました。
土砂災害は、二次的な災害発生の危険性も高く、専門的な知識や技術及び高い安全管理能力が必要になります。
土砂に巻き込まれた要救助者を救出する訓練を連携して行うことで、実際に災害が起こった際にも、安全・確実・迅速に救助活動ができるように救出方法や危険事項の確認を行いました。
この訓練は、近年、全国各地で土砂災害が発生していることを踏まえ、土砂災害現場における基礎知識と安全で確実な救助活動要領を習得することを目的として実施しました。
当日は、土砂の採掘方法の手技や応急土留め及び土砂搬送の要領を確認するとともに「一方掘り法」「内堀り法」や埋設家屋からの救助訓練等を行いました。
一方堀り法
傾斜がある斜面などに、内堀りのように囲いを作り、内部から外に土砂を排出するのではなく、一方方向へ土砂を排出します。要救助者を救出する際、要救助者の周囲はスコップでは損傷を与える危険性があるため、手堀りにて繊細に掘削し、掘削して出た土砂をスコップ等で一方向に流す救出方法です。
内掘り法
要救助者には全方位から土圧がかかっているため、板で囲むことにより要救助者にかかる土圧を軽減させるとともに、土砂の再流入を防ぐ救出方法です。 要救助者は土圧(土による圧力)で呼吸が抑制されているため、要救助者の周囲で活動する隊員は、作業効率が低下しないよう周囲の土砂を交代を繰り返しながら一刻も早く排除し、救出活動を行う必要があります。
埋没家屋からの救助訓練
家屋に見立てた構造物を事前に土砂に埋没させ、この中に要救助者が取り残されているという想定で救助訓練が行われました。
埋没した家屋内へ進入するためにスコップを用いて土砂を除去し進入路を確保します。
そして僅かな隙間から家屋内へ進入します。
家屋内に進入後、小形の特殊スコップを使用して、家屋内へも侵入した土砂をかき分け要救助者を捜索します。
要救助者や異変を認めれば、迅速に家屋外の団員へ情報の伝達が行われます。
埋没家屋の外では、家屋内へ進入した団員からの要救助者の位置情報をもとに、当該箇所付近を重点的に捜索します。
災害対応力の向上に努めます
枚方市消防団では、今後も土砂災害をはじめ、あらゆる災害に安全・確実・迅速に対応するために訓練を継続し、さまざまな災害に対応できるよう災害対応力の向上に努めて参ります。
過去に実施した土砂災害対応訓練(YouTube)は、こちらからご覧下さい