訓練

令和4年度後期 非常時参集訓練を実施しました。

分団詰所や消防車庫内及び周辺の被害状況を調査し分団指揮所へ報告する班長

非常時参集訓練

参集途上で自転車を止めて被害の状況報告を受ける津田分団 竹内分団長

枚方市消防団では、毎年2月と6月の年2回、大規模な地震が発生する事を想定した『非常時参集訓練』を実施しております。

今回は令和5年2月12日(日)の午前9時に訓練が開始され、枚方市消防団の各分団詰所・車庫、枚方市役所危機管理部、枚方寝屋川消防組合の枚方消防署・枚方東消防署各本署及び北山出張所を除く各出張所で行われました。

非常時参集訓練とは

令和4年度枚方市消防団事業実施計画に基づき、大規模地震に迅速かつ的確に対応するため実施しているものです。

この訓練は、令和5年2月12日(日)午前9時00分頃、生駒断層帯でマグネチュード7.3の地震が発生し、枚方市域に於いて最大震度6強を観測するという想定のなか、枚方市消防団は枚方市消防団活動マニュアルに基づき、参集及びMCA無線、特定小電力無線、携帯電話等の無線通信設備を用いて情報伝達を行う無線交信訓練を実施し、初動体制の確立、消防防災能力の向上ならびに強化を図ることを目的としています。

分団各班

地震発生を覚知し、所属する班の詰所や車庫に参集した班長と団員は、まず詰所や車庫の被害状況を確認し、消防車両を出庫させる事が可能であるかを確認をします。
出庫が可能であるならば、出動し周辺の被害状況を調査します。

消防車から地域の情報を所属分団指揮所へ報告する枚方分団の班長

そして、その結果を消防車両に搭載されている車載型MCA無線機もしくは班長職以上の分団員に貸与されている特定小電力携帯型無線機を使用して分団指揮所へ報告します。
また同時に所属団員及び団員家族の安否と出動可否を確認し、併せてその状況報告も行います。

分団指揮所

分団指揮所における新たな運営手法の導入を試みる殿二分団指揮所

分団指揮所は、地震発生を覚知した後、分団長以下副分団長、庶務部長、警備部長、予防部長が所属分団を管轄とする枚方消防署並びに枚方東消防署の各本署もしくは出張所へ参集し開設します。

そして分団指揮所の開設後、速やかに各班から被害状況や安否確認、出動可能人員等の報告を受け、それらを集約したのち所属する方面本部へ報告します。

また、方面本部からの指揮命令を受令すれば、その内容に基づいて地域状況に沿った具体的な指示に変え、各班へ指示伝達を行います。

東部方面分団指揮所(一部)

中部方面分団指揮所(一部)

東部方面本部

東部方面本部で集約された情報を非常警備本部へ報告する東部方面本部担当 柿木副団長

東部方面本部は枚方東消防署に開設され、津田、殿二、樟葉、菅原、氷室の各分団指揮所を統轄しており、市内を流れる一級河川の淀川から生駒山系の山林まで、ひとたび自然災害が発生すると被害の規模が大きくなる恐れのある地区を幅広く管轄しています。

そのため、築堤決壊や土砂崩壊等の甚大な被害が想定されるほか、想定外となる未曽有の災害発生も懸念されるため、各分団指揮所からの報告を集約する際は、記載に自由度の高い移動式の「ホワイトボード」を活用しております。

ホワイトボードを活用し状況の把握に努める東部方面本部
指揮を執る分団の消防車活動位置を示す地図

中部方面本部

管轄分団指揮所の情報を集約する中部方面本部

中部方面本部は枚方消防署内にある消防団室に開設され、枚方、蹉跎、川越、殿一、山田の各分団指揮所を統轄しており、主に市街地や住宅街等の人口密集地と一級河川・淀川左岸域の長い距離を管轄とするため、甚大な人的被害を軽減させる事が出来る様、迅速な対応が求められます。

非常警備本部

非常警備本部に設けられた第二グループの作業卓

非常警備本部は枚方市役所危機管理部内に開設され、消防団長自ら陣頭指揮を執り、統括副団長および訓練担当副団長のほか、女性分団の分団長、副分団長、庶務部長を始めとする団員が参集し、中部と東部の各方面本部を統轄する本部運営に携わります。

状況の把握に努めると共に的確にその状況を判断し、許可や承認、命令等を発する上田団長

上田団長は訓練の進捗状況を見定め、非常警備本部の無線通信設備が使用不能となった事態も想定し、訓練中自らの足で中部方面本部と枚方分団詰所へ赴き、最悪の事態に対応した取り組みも行いました。

非常警備本部から訓練終了の通告送信を行う訓練担当 吉水副団長(音が出ます)

今回、非常警備本部では、2系統のグループに分けて職務に従事し、相互に連携をとりながら作業の効率化を高めました。
また今回から、既存のホワイトボードの使用を取りやめ、保管や持ち運びが容易で使用する場所に制限が少ない使い捨てタイプの特殊フイルムを使用し、ホワイトボードに代えて活用しました。

訓練担当 吉水副団長から訓練終了の一斉送信による通告が行われたあと、枚方市役所危機管理部の野田副参事より講評がありました。
野田副参事は以前、枚方寝屋川消防組合の消防署長を務められていた経歴をお持ちであり、常備消防の管理者からの視点でお話しをされ、特に「時間管理」「動態管理」の重要性を説かれて、今後の非常時参集訓練に於ける課題を提議されました。

また正副団長を除く本部員の責任者であった女性分団 杉本分団長からは、野田副参事からのお話しのもと、ホワイトボードの仕様に改良を求めて現場の作業環境改善に意見を述べました。

訓練終了に際し、団本部員へ講評を行う上田団長

訓練終了後は上田団長から本部員に講評が行われ、発災時消防団が担う職務の重要性と枚方市全域の情報を司る非常警備本部における業務の責務は非常に大きいものであり、日々の業務運営の確保を行うため、知識力や技術力の向上に努めてもらいたいという話がありました。

常に対応能力の向上を目指しています

枚方市消防団では、2月の厳寒期と6月の初夏の2回に分けて非常時参集訓練を行っており、季節の状況に即した災害対応を行うほか、常に新しい障害を想定したシミュレーションを導入し、訓練に参加する団員が常に緊張感をもって取り組める様にカリキュラムを組んでおります。

また今回、殿二分団指揮所においては、令和5年1月に開催された消防大学校消防団活性化推進コースに参加し、非常時における「指揮」の講義を受講した西村分団長の発案により、指揮所内で業務にあたる団員全員が、管轄区域の地図上で災害が発生した地点、活動中の所属消防車の動態、またホワイトボードで災害状況がひと目で把握出来る新たな方法を導入し、分団指揮所の運営改善を行いました。

今後も成し得た経験をもとに改良を加えて組織内で共有を行い、どのような事象においても対応する事が出来る様、常に対応能力の向上に努めてまいります。

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