竹中 聖人さん

プロフィール
- 竹中 聖人さん
- 年齢:26歳
- 職業:会社員
- 殿一分団:小倉班
- 団員歴:5年
代々続くつながりをきっかけに、地域のためにできることを続ける
消防団というと、特別な人がやる活動のように感じる方もいるかもしれません。
しかし実際には、普段は会社員として働きながら、地域のために活動している団員も多くいます。
竹中さんもその一人です。
本業を持ちながら消防団活動を続け、地域に貢献したいという思いを持って取り組まれています。
消防団は、子どもの頃から身近な存在だった

竹中さんは、お父さまとお祖父さまの両方が消防団員という家庭で育ちました。
そのため、消防団は子どもの頃から身近な存在だったそうです。
入団のきっかけは、数年後にポンプ操法大会があるので、選手として出てくれないかとお父さまから声をかけられたことでした。
代々消防団に関わってきた家系の中で育ったとはいえ、最初から特別な決意だけで入団したわけではなく、自然な流れの中で消防団との関わりが始まっていきました。
入団前に感じていたのは「忙しそう」という印象
入団する前、竹中さんは消防団に対して、昼夜を問わず火災連絡が入れば出動し、休日には定期訓練もある、とても忙しそうな活動だという印象を持っていたそうです。
たしかに、外から見ると大変そうに見える場面も多くあります。
しかし、実際に入団してみると、近くで見ていた時に感じていた一方的な「忙しそう」という印象だけではなかったといいます。
実際に活動の中に入ることで、地域とのつながりや仲間との関係、学べることの多さなど、外からは見えにくかった面が見えてきたそうです。
年齢差のある環境の中で、少しずつ役割を実感していった
入団当初、所属する分団には同世代の団員がおらず、20歳以上年の離れた、お父さまと同世代の方ばかりだったそうです。
そのため、最初は少し話しかけづらく、なじみにくさも感じていたと振り返ります。
それでも、周囲の方々は「分団長の息子」として竹中さんのことを知っており、とても温かく接してくれました。
そうした中で、年齢の離れた方とのコミュニケーションの取り方を学び、応急処置や消防器具の操作方法といった知識も身につけていきました。
ただ所属するだけではなく、活動を通して学びがあり、それが地域のために役立つ。
そう実感できたことで、少しずつ責任感も芽生えていったそうです。
ポンプ操法訓練を通じて得た、結束と成長

入団当初の大きな役割のひとつが、ポンプ操法大会への出場でした。
竹中さんは2番員の選手として、大阪府消防大会小型ポンプ操法の部に出場されています。
訓練を始めた当初は、長期にわたる練習スケジュールを厳しく感じていたそうです。
しかし、時間が経つにつれて、学生時代のクラブ活動のような感覚で集中して取り組めるようになり、体力も戻ってきたといいます。
大会の結果そのものは思うようなものではなかったそうですが、その過程で分団内や選手同士の結束が強まり、年齢差による壁も次第になくなっていきました。
訓練をやり切った経験は、消防団活動を続けていくうえで大きな意味を持つものになったそうです。
▼令和4年度 第66回大阪府消防大会での消防ポンプ操法訓練の様子(2番員が竹中さん)・音が出ます
本業は会社員 専門的な仕事をしながら活動している
竹中さんの本業は会社員で、金属材料の開発や品質管理に関する検査業務などに携わっておられます。
専門性のある仕事に取り組みながら、消防団活動にも関わっていることからも、消防団員が決して消防だけを仕事にしている人ばかりではないことがわかります。
それぞれに本業があり、日々の生活があり、そのうえで地域のためにできることを持ち寄っている。
消防団は、そうした多様な立場の人によって支えられている活動です。
趣味や日常も持ちながら、無理なく関わっていく

学生時代はテニスをしていたそうですが、就職してからはなかなか時間が取れず、以前ほどはできていないとのことです。
現在の趣味としては、ドライブを挙げてくださいました。特に、今では珍しくなったマニュアル車を運転して出かける時間が楽しいそうです。
車を触ることにも興味があり、これから少しずつ取り組んでいきたいと話されていました。
このように、消防団員だからといって日常のすべてを活動に注いでいるわけではありません。
本業があり、趣味があり、その中で地域との関わりを持っている。そうした等身大の姿も、消防団のひとつの現実です。
若い世代にも、もっと知ってほしいという思い
竹中さんは、現在の消防団について、構成年齢の高齢化が進んでいることを課題として感じているそうです。
だからこそ、もっと若い世代に消防団のことを知ってもらい、入団のきっかけを増やしていく必要があると考えています。
そのためには、消防団に入ることで得られる経験やメリットを伝えること、そして活動そのものを前向きに感じてもらえるような行事や取り組みを増やしていくことが大切だと話されていました。
さらに、ホームページや勧誘広告、SNSなどを活用した広報活動も、これからますます重要になってくると考えておられます。
地域にいる限り、できる形で続けていきたい
今後について竹中さんは、地域に貢献できるよう努力を続け、消防団活動だけでなく地域のさまざまな行事にも積極的に参加していきたいと話されています。
また、消防団の若返りのために、自分の周りの同世代にも積極的に声をかけ、入団につながるような働きかけをしていきたいという思いも持っておられます。
地元にいる限りは、定年まで続けていきたい――その言葉からは、地域への責任感と、無理のない形でも長く関わっていこうという意志が感じられます。
消防団は、さまざまな仕事や世代の人が支えている
消防団には、さまざまな仕事を持つ人がいます。
代々関わってきた方もいれば、声をかけられて初めて関わる人もいます。最初から自信がある人ばかりではなく、不安や戸惑いを感じながら一歩を踏み出す人も少なくありません。
それでも、活動を通して地域とのつながりや仲間との関係が生まれ、自分にできることを少しずつ見つけていけるのが消防団です。
竹中さんのように、本業を持ちながら地域のために活動している人がいることを知ることで、消防団が少し身近に感じられる方もいるのではないでしょうか。
「自分にもできるかもしれない」
そんなふうに思った方にこそ、消防団の活動を知っていただければと思います。


●令和4年度 第66回大阪府消防大会での消防ポンプ操法訓練の様子(2番員が竹中さん)・音が出ます
