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大阪府消防団充実強化研究会に枚方市消防団が参加しました。

開催日時令和5年2月19日(月) 14時00分~16時00分
開催場所ホテルプリムローズ大阪2階「鳳凰」
事例発表上田治央団長、井上誠二副団長
帯同者消防団広報部3名 市役所危機管理部2名

令和4年度 大阪府消防団充実強化研究会イベント開催

 標記の研究会が「広報、最初の第一歩」をテーマに開催されました。
会場を埋めた出席者は、消防団員と消防署員であり、皆が防災の第一線に立つ者ばかりでした。

今回の研究会で焦点を当てた内容は、サブテーマに掲げた「消防団の認知度向上と理解促進のための取り組み」です。
言うまでもなく、これらは大阪府だけでなく全国的な課題ともなっている「消防団員・消防署員の人材確保」に直結する内容です。

その課題解決の方策となる基調講演を政府の広報アドバイザーよりいただいた後、続いて大阪府下の消防団・消防署を代表して3件の広報活動に関する取組みの事例が発表されました。

情報発信のカギは

 基調講演を務めたのは、公益社団法人日本広報協会 広報アドバイザーの左近充ひとみ氏。
米国の広告代理店、コンサルティング会社で研鑽を積まれ、横浜市役所広報相談部長等を担われた経歴のある、まさに日本を代表する広報のプロフェッショナルと言える方です。

 講演は「広報力アップ」をテーマにして、情報発信の目的に始まり、広報の使命・役割、広報戦略設定の流れ、広報力強化へと興味深い話が次々に展開していきました。
中でも、広報は組織体とその存続を左右する民衆(パブリック)との間に相互に利益をもたらす関係性を構築し、維持をするマネジメント機能を果たす役割を持つこと。だからこそ情報発信の際には戦略的「広報」が求められることを改めて確認しました。

取材担当者として帯同した広報部員も、自分たちが実践してきた内容を一つひとつ確かめるようにして講演を拝聴しました。

 お話も終盤に差し掛かったところで「広報マインドの醸成」のスライドを背に、左近充氏がこのように言われました。
「実際に行動に移すには、広報することが大好きで仕方がない。その素晴らしさを周りに伝えたいという思いが大切。」であるとされ、また「ハートは熱く、頭は冷静に。」と言われました。
そして、広報に必要不可欠な要素である《正確さ》《適切さ》《公平性》《説得力》《目配り》にあっても、忘れてならないのが『客観性』であるとご教示いただきました。それから間もなくして講演はお開きとなりましたが、会場が盛大な拍手に包まれたことは言うまでもありません。

枚方市消防団広報部取り組みを紹介

 

 事例発表の二番手として、枚方市消防団の上田団長と井上副団長が登壇し、パワーポイントのスライドを操作しながら解説をしました。

発表テーマ:「広報活動について」

  •  なぜ広報活動が必要なのか
  •  市民の方は
  •  入団方法の変化
  •  広報部を発足
  •  広報の手段
  •  今後の課題

 発表の内容を聴かれた会場の皆さんがどのような感想を持たれたかは知りたいところですが、上田団長が会場の皆さんに向かって語り掛けるようにお話しを行ったその様子は、普段わたしたち広報部員が目にする姿と同じ、自然体で人を和ませる雰囲気が伝わってきました。

 また、スライドが終了したところで団長が広報部で実施した企画の話をしました。
昨年の今頃、団長宅の庭先で広報部員が山から切り出した木にシイタケ菌を打ち込み、その作業を終えてから皆でバーベキューをした企画についてです。
消防団活動は楽しくあるべきとして、団員同士を「融和」させる取り組みを率先して企画・実施していただいています。
今年、シイタケの収穫時期に広報部員が再び集えることを皆心待ちにしています。

 最後に、枚方市民の皆さまとの交流に力を注いだ場面を盛り込んだ枚方市消防団PRムービーをご覧いただきました。
そして、事例発表を終えた後に団長が、広報部がホームページ検討委員会として発足した当初、関係団員が手弁当で皆の時間を持ち寄り、汗をかいたことに対して感謝の意を述べました。
大勢の聴衆がおられる中で聞かせいただき、広報部全員にかけて頂く温かい思いやりを感じたその言葉が心に沁みました。

 有言実行を身をもって示し、消防団そして広報部をも牽引される上田団長と共に、今後も創意と熱意をもって広報活動を進めてまいります。

女性分団員の製作品を展示ブースでお披露目

 広報部員が会場に到着し、危機管理部職員と共に手掛けたのが展示ブースの準備です。
ここには、女性分団員が作製したグッズを展示しました。
全てに手作り感があり、女性ならではの視点で「無理なく、無駄なく、かしこく防災」する知識を楽しく見て学ぶことができるブースが仕上がりました。

 ホワイトボードには、在宅避難をするにあたって想定しておくべきことや留意点などを記載した模造紙を貼り付けました。
そこには、どの世代にも親しみやすい絵柄が挿入されており、またポップを使って分かり易いように見せる工夫が凝らされています。

入場者も研究会の前後にブースの前に立ち止まってじっと見ておられたのが印象的でした。
展示ブースの数は僅かでしたが、このような取り組みも防災に係る啓発活動の重要な一役を担っていることが良く分かりました。

地域とのより良い関係性を構築するために

 

 事例は、八尾市消防団、堺市消防局からも代表者が登壇して発表されました。
それぞれの地域性にマッチする広報の方策を関係者で練り、実践しておられます。

 八尾市消防団が発刊する広報紙『火の見櫓(ひのみやぐら)』は、消防団活動を地域に啓発するための欠かせない紙媒体で、高齢者への気遣いを込めて配布される紙面です。
分団の活動の様子が見て取れるような構成で、何より団員一人ひとりを身近に感じられるのが魅力です。

 堺市消防局は、広報媒体について熟考を重ねられ、プロモーションムービーを制作されました。
広報の根本的な目的は、市民とのより良い関係性を創ることとされながらも、その力を鍛えることが結果的には人の命を救うことにつながるとして、崇高な使命感に基づいて作られたものです。
多くの市民を感化する要素がちりばめられた「作品」と言えます。

 研究会の締めくくりに大阪府消防協会の大濱進彦会長が閉会の挨拶に立たれました。

 

 現在、防災力の低下が危惧されていること。だからこそ、大阪の防災力を強化せねばならないと語気を強めてお話しされました。

今後、未曽有の大災害が発生する可能性があることを想った時、広報力の強化が消防団員・消防署員確保の真に有効な解決策となるのなら、この取り組みが全国的に広まり、いち早くそれぞれの地域の隅々まで行き渡ることを願います。

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