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非常時参集訓練
枚方市消防団では、毎年2月と6月の年2回、大規模な地震が発生する事を想定した『非常時参集訓練』を実施しております。
今回、令和4年6月12日(日)の午前9時に訓練が開始され、枚方市消防団の各分団詰所・車庫、枚方市役所危機管理部、枚方寝屋川消防組合の枚方消防署・枚方東消防署各本署及び各出張所で行われました。
前回の訓練実施は令和2年2月であり、この時の訓練を最後に新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、長らく中止となっておりましたが、実に2年4ヶ月ぶりの訓練再開となりました。
非常時参集訓練とは
令和4年度枚方市消防団事業実施計画に基づき、大規模地震に迅速かつ的確に対応するため実施しているものです。
この訓練は、令和4年6月12日(日)午前9時頃、生駒断層帯でマグネチュード7.3の大規模地震が発生し、枚方市全域に於いて最大震度6強を観測するという想定のなか、枚方市消防団は団活動マニュアルに基づき、参集及びMCA無線、特定小電力無線等の無線通信設備を用いて情報伝達を行う無線交信訓練を実施し、初動体制の確立、消防防災能力の向上と強化を図ることを目的としています。
危機管理室本部
午前9時00分に枚方市役所危機管理部内に設けられている「枚方市防災行政無線室」よりMCA無線の基地局通信設備を使用し、陸上特殊無線技士の無線従事者資格を有する市職員によって訓練開始の告知がなされ、団非常警備本部と各方面本部の開設を通告、その後、正副団長及び全分団長と通話試験を実施しました。
団非常警備本部
団非常警備本部は枚方市役所危機管理部内に開設され、消防団長自ら陣頭指揮を執り、担当副団長のほか、女性分団の分団長、副分団長、庶務部長を始めとする団員が参集し、中部と東部の各方面本部を統轄する本部運営に携わります。
訓練は本来、枚方市消防団活動マニュアルに基づいて地震発生を覚知した後、第2非常警備体制による参集(2号参集)となりますが、団非常警備本部において訓練に参加する団員に至っては、団非常警備本部の運営上、特例として訓練開始前の参集となるため、訓練開始に先立ち上田消防団長より訓示と訓練の概要説明がありました。
分団各班
地震発生を覚知し、所属する班の詰所や車庫に参集した班長と団員は、まず詰所や車庫の被害状況を確認し、消防車両を出庫させる事が可能であるかを確認をします。
出庫が可能であるならば、出動し周辺の被害状況を調査します。
そして、その結果を消防車両に搭載されている車載型MCA無線機もしくは班長職以上の分団員に貸与されている特定小電力携帯型無線機を使用して分団指揮所へ報告します。
また同時に所属団員及び団員家族の安否と出動可否を確認し、併せてその状況報告も行います。
分団指揮所
分団指揮所は、地震発生を覚知した後、分団長以下副分団長、庶務部長、警備部長、予防部長が所属分団を管轄とする枚方消防署並びに枚方東消防署の各本署もしくは出張所へ参集し開設します。
そして分団指揮所の開設後、速やかに各班から被害状況や安否確認、出動可能人員等の報告を受け、それらを集約したのち所属する方面本部へ報告します。
また、方面本部からの指揮命令を受令すれば、その内容に基づいて地域状況に沿った具体的な指示に変え、各班へ指示伝達を行います。
中部方面分団指揮所(一部)
東部方面分団指揮所(一部)
中部方面本部
中部方面本部は枚方消防署内にある消防団室に開設され、枚方、蹉跎、川越、殿一、山田の各分団指揮所を統轄しており、主に市街地や住宅街等の人口密集地と一級河川・淀川左岸域の長い距離を管轄とするため、甚大な人的被害を軽減させる事が出来る様、迅速な対応が求められます。
そのため、中部方面本部では従事する団員の増員が図られており、効率よく方面本部運営を行う事で被害の拡大防止に努めております。
東部方面本部
東部方面本部は枚方東消防署に開設され、津田、殿二、樟葉、菅原、氷室の各分団指揮所を統轄しており、市内を流れる一級河川の淀川から生駒山系の山林まで、ひとたび自然災害が発生すると被害の規模が大きくなる恐れのある地区を幅広く管轄しています。
そのため、築堤決壊や土砂崩壊等の甚大な被害が想定されるほか、想定外となる未曽有の災害発生も懸念されるため、各分団指揮所からの報告を集約する際は、記載に自由度の高い「ホワイトボード」を活用し、記載業務専従の団員を配置しております。
時季に応じた災害対応に努めています
地震はいつどこで発生するかは分かりません。
発生する季節は変われば、対応方も自ずと変わってきます。
枚方市消防団では、2月の厳寒期と6月の初夏の2回に分けて非常時参集訓練を行う事により、季節の状況に即した災害対応を行う事が可能となります。
今後も様々な角度から、災害時における対応方を検討してまいります。