
目次
午前の部

枚方市消防団では、令和7年1月18日(日)に枚方寝屋川消防組合枚方消防署において、関西外国語大学のボランティアサークル「WiZ HABITAT(ウィズハビタット)」に所属する学生の皆さんによる消防団体験会を実施しました。
関西外国語大学は枚方市内で運営される大学校であり、同校のサークル内でも特にボランティア精神が旺盛な皆さんに体験会へ御参加を頂きました。
午前の部を担当する指導員は、同校所在地を管轄する山田分団と殿一分団から派遣、午後の部は、同校を卒業した団員含む指導員を女性分団から派遣しました。
また広報部からは、同校同サークルに所属する子女を持つ団員も派遣し、学生の皆さんと消防団員が気軽に近い位置でコミュニケーションを図れる様に準備を行いました。
朝10時に会場へ集合した学生の皆さんは、まず安全確保の要となる安全帽を受け取って着用し開講式に臨みます。
開講式では、本部 竹中副団長より挨拶と一日の体験内容の説明のほか指導員の紹介などがありました。
始まりは「規律訓練」から


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開講式が終わると、すぐに体験会へ移ります。
消防の言葉に「規律に始まり規律に終わる」という名言がありますが、言葉の通り一番最初の体験は「規律訓練」です。
これから多種多様な訓練を受けるにあたり、グループの統制をはかる意義や意思伝達の重要性、安全確保に欠かせないのが「規律」であることの説明を受け、まずは指導員がデモンストレーションを行います。

指揮者の大きな声による号令と機敏に動く指導員に、緊張の表情から驚く表情に変わった学生さんもいましたが、すぐに真剣な眼差しに戻ります。

デモンストレーションが終われば、今度は学生の皆さんが同じ規律動作を実践します。
若い学生の皆さんは、動きも機敏で説明に対する理解力に長けており、短い時間での上達ぶりに指導員らは一様に驚きを隠せませんでした。
消火活動の体験

基本となる規律を習得した学生さんは、次に消火活動訓練を受けます。
まずは、消火に使用する水を確保する方法や消防車両に積載される消防ポンプ(機関)や資機材の説明、屋外消火栓設備の仕組みなどの説明を受けました。

普段はなかなか目にする事のない地下式消火栓の内部を皆さん興味津々とのぞき込みます。

高い水圧がかかった資機材を取り扱う場合、細心の注意を払わなければ大きな事故に繋がりかねないという説明を受けているので、皆さんの表情は真剣そのものです。

消火水が供給される仕組みを学んだあとは、実際の放水訓練に向けて、筒先の基本的な操作方を通水させずに学びます。

そして説明を受けて理解をすれば防火衣に着替えます。
思った以上に硬くて重く動きにくいという感想もありましたが、炎や水から消防団員を守るためという説明に納得します。

防火衣に着替えたら、実際に放水訓練を行なう前にもう一度取扱い方の復習を行います。

いよいよ放水開始です。
「ドン」とからだに重くのしかかる水の圧力を感じながら、目標点に向けて放水します。



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指導員から放水パターンを棒状から噴霧状態へ変更操作するなどの様々な指示を受けながら、的確にその指示に基づいて筒先の操作を行います。

ただ漠然と放水するだけでなく、消火を行う対象物の性質や燃焼状態で放水のパターンを変更するなど、物理的な性質の観点からもその理由を学びました。

訓練の合間にはみんな笑顔で記念撮影も
仲間と共に体験し学んだ経験は良き思い出になったでしょうか⁉
午前の部の講評

参加者全員が放水訓練を行ない、午前の部におけるカリキュラムはすべて終了となりました。
訓練終了に際し竹中副団長より「皆さんの取り組もうとする姿勢と理解力は素晴らしいものであります。午後からのカリキュラムも引き続き頑張った下さい。」と講評がありました。

訓練終了の「わかれ」の号令が、谷村分団長より学生の皆さんに向けて発されます。
皆さんは、号令のあと「よし!!」と応答し、敬礼を行います。
学生の皆さんは無事に午前の部の体験会を終え、昼食後の午後の訓練に備えます。


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午前の部の体験会終了をもって、ここまで指導員を務めた山田分団ならびに殿一分団の団員は、午後の部を担当する女性分団の指導員に任務を引き継ぎ、無事に任務遂行となりました。
午後の部

普通救命講習を受講

午後からは訓練を行なう場所を消防署内の会議室へと移し、普通救命講習①のカリキュラムを受けます。

訓練に先立ち、指導を担当する女性分団 田代分団長より挨拶と指導員の紹介があり、その後一次救命処置の重要性と意義に付いて話がありました。
映像の視聴

受講するに先立ち、映像によりAED(自動体外式除細動器)の必要性やバイスタンダーとなった場合の心構え、AED(自動体外式除細動器)が社会に普及してきた経緯や実績などを学びます。
デモンストレーション


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映像の視聴が終わると指導員が要救助者発見から救急隊に引き継ぐまでの一連の動作をデモンストレーションとして披露します。
その後、パート毎に区切り詳細な説明を行います。

直接「いのち」にかかわる大切な事であり、学生の皆さんは一次救命処置の重要性をよく理解された上での受講ですので真剣そのもの、会場に引き締まった空気が流れます。
心肺蘇生法を学ぶ


デモンストレーションと解説のあとは、ふたつのグループに分かれて、実技指導に移ります。

その都度、質疑応答を繰り返しながら、ひとつひとつ動作の方法と意味を理解し技術を習得していきます。
心肺蘇生法の実践

パート毎に説明を受け練習を行ったのち、グループのメンバーで連携して要救助者発見から救急隊へ引き継ぐまでの一連の動作を通して行います。


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ここでは、学び得た仕上げになるため、教わった事を思い出しながら慎重に救命処置を行います。
そして自分以外の第三者と連携・協力するという大切さも学びました。
効果測定

一連の動作を行う事が出来るようになれば、最後の難関である効果測定を受けます。
この効果測定において習熟度が一定の基準に達していると認められれば「普通救命講習修了証」が発給されます。

最後の試験であり、本日習ったことを間違いなく行える様に学生の皆さんは真剣に取り組みました。
止血法や異物除去を学ぶ

AED(自動体外式除細動器)の操作方や心肺蘇生法の効果測定が終われば、人体から出血が認められた場合に行う「止血法」や喉に異物が閉そくした際に行う「異物除去法」の解説も行いました。
そしてこれらの解説が終わると本日すべてのカリキュラムが終了しました。
総合評価と閉講式

すべての講習を終え竹中副団長より一日の訓練講評と消防団の重要性、ボランティア精神の必要性に付いてお話しをさせて頂きました。
今、皆さんのボランティアとしての誇り高い気持ちをいつまでも大切にして頂き、大学を卒業して社会へ出たあとも常に社会から必要とされる需要のある人であって頂きたいとお願いをさせて頂きました。
そして、今日のご縁を大切にし、今後も関西外国語大学の皆さんと枚方市消防団が連携・協力のとれる関係で、末永くお付き合いができる事を期待し、閉講の挨拶とさせて頂きました。
「広報ひらかた」の取材を受けました

体験会終了後「WiZ HABITAT(ウィズハビタット)」の代表である殊井亮汰さんは、枚方市広報プロモーション課からの取材も受け、消防団の体験を通して感じた事や思いを話されておりました。
この取材内容は「広報ひらかた 3月号 (2025年3月号・通巻1339)」の「まちの話題 (46頁)」で紹介されています。
若きボランティアたちを育成するために

全国の消防団組織に於ける団員数は、年々減少の一途を辿るとともに現職団員の高年齢化が大きな問題になっております。
今後起こり得る大きな災害に備え、そして立ち向かうためには、更なる消防団員の増員を図ること、特に若き世代の皆さまに消防団へ所属してもらい、共に消防団活動をして頂くことが喫緊の課題です。
今回、ボランティアサークルとして日頃からボランティア精神のもと、自助・共助に取り組んでおられるモチベーションの高い大学生の皆さんに体験会を通して『消防団』という組織と活動内容の一部分を知って頂きましたが、今後は更に学生の皆さん向けた消防団体験会における内容充実の強化に努めるとともに関西外国語大学の皆さんのほか、他校の大学生の皆さんにもひとりでも多く消防団体験会を受けて頂き、若きボランティアを育成する事が出来る体制づくりの構築に努めてまいります。
そして今、運営に向けて取り組んでいる「機能別消防団員」の機能を有する組織づくりを目指し、更なる地域防災力の向上と地域社会との連携強化に努め、安全・安心で住みよい街づくりに貢献出来る様、枚方市消防団は一丸となって取り組んでまいります。
今回、消防団体験会を開催するにあたり、多大なる御理解並びに御協力を賜りました、学校法人関西外国語大学、枚方寝屋川消防組合、枚方市関係各所及び関係者各位には、この場をお借り致しまして厚く御礼を申し上げます。