殿一分団 枚方分団 その他 訓練

枚方市消防団はこんなこともしています
~水都くらわんか花火大会事前放水~

令和7年9月22日(日)天気にも恵まれ、第4回水都くらわんか花火大会が淀川河川公園枚方地区・大塚地区の2会場で開催され、5,065発の花火が上がりました。
夕方にはたくさんの人でにぎわっていて、夜空が少しずつ暗くなり、最初の一発が打ち上がると、大きな音とともに視界いっぱいに花火が広がりました。赤や青、金色に輝く花火が次々と夜空を彩り、そのたびに歓声が上がります。とくに大玉の花火は、胸の奥まで響くような迫力で、秋の気配を感じる夜を特別なものにしてくれました。

このような素晴らしい花火大会の裏で枚方市消防団が活動していたを皆さんはご存じでしょうか?

事前準備

発端は昨年度令和6年に開催された同花火大会で、河川敷の草木が生い茂るエリアに花火の火の粉が落ち、火災が発生したことでした。
よって、今年度は火災が発生しないよう、訓練の一環として対象エリアに事前に放水をすることになり、枚方分団、殿一分団にて実施しました。

生い茂る草木
殿一分団が担当するエリアの概略図

放水する場所の決定、どこから水を吸い上げるのか、何本ホースを伸ばさないといけないのか、人員は何人必要なのか?
数か月前から綿密な打合せを重ねました。
また、打合せどおり実施可能か検証するため、前日は実地を訪れポンプの設置場所、ホースの延長経路、放水の方向や距離を確認しました。

放水準備

例え前日に事前確認したとしても、当日予定どおりにはいかないもので。。。。
ポンプを下ろそうと思っていた場所が花火打上げ装置の設置場所で花火師の方々が忙しそうに準備をされていました。
近年の花火はITによる電子制御のため、断線の注意および迂闊に水を浴びせられないことが当日に判明しました。

我々の活動と同時刻には花火師が着々と準備をされていました
断線に気つけて大筒花火の横を吸管ホースを運搬する団員

単なる花火のための事前放水ではなく、いつ起こるか分からない災害時にも臨機応変に対応できるよう、今回私たちは訓練の一環として一連の作業を実施しました。
確実に吸水できるポイントを見定め、可搬ポンプを担いで移動させて設置します。
放水地点までは何本ものホースを延長しますので、確実に接合できていることを確認します。

可搬ポンプは約90kgのため4人で担ぎます
確実に吸水できる安定した場所へ設置します
放水地点までは平地とは限りません
確実に結合されていることをしっかりと確認します

放水

私たちが使用するノズル(=筒先:水が出るところの機械)は2種類ありますが、各々の特性に違いがあります。
ノズルの種類によって接続されるホースの太さも違います。
放水の経験を積むことで、各々の特性の違いを理解し有効な放水が可能となります。

ストレートノズルでの放水
クアドラフォグノズルでの放水

効率的に広範囲に放水するために、吸水口1本から複数の放水口に分岐させます。
複数の放水口から放水させるためには、1本の時に比べ大きな力で送水する必要があります。
指揮者と機関員(ポンプを扱う担当)が無線で連絡を取り合い、指揮者から細かく送水圧の指示が飛びます。

1本から2本へ分岐します
機関員は送水圧を常にモニターしています

広範囲に放水する場合、途中でホースを延長する必要が出てきます。
複数口で放水している場合、片方を止めずにもう片方を延長します。
普段の訓練では中々できない操作のため、手順をしっかりと確認し各部署声を掛け合い連携して行います。

離れた場所とは無線で連絡を取り合います
指揮者の指示に従い機敏に行動します

事前放水(訓練)を終えて

訓練を終えて整列する枚方分団団員

私たちは毎月放水訓練を実施していますが、今回のような広範囲への放水訓練は初めてでした。
今回の訓練を通じて、どれくらいホースを延長すればどれくらいの水圧が必要なのか、広範囲に効率よく放水するにはどうすればいいのかなど多くの事を経験することができました。

市民の方々は盛大な花火の裏でこのような事が行われていた事をこの記事を読んで初めて知った方が多いのではないでしょうか?
我々枚方市消防団は、いつ起こるか分からない災害を常に念頭に置き、日々考えながら活動しています。
これからも安心安全な暮らしを守れるよう、市民の方々と力を合わせ頑張ります。

※消防団活動にご興味があり、消防団に加わりたい!と思ったら、ぜひお問合せ下さい。

<付録>
9月も中旬過ぎたとはいえ、熱中症に備え、枚方市消防団では訓練時には十分な水分を用意し接種して活動しています。

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