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合同消防出初式を開催しました
枚方市消防団、寝屋川市消防団、枚方寝屋川消防組合は、令和5年1月8日(日)枚方市三矢地先にある淀川河川公園「枚方地区 淀川アクアシアター」において合同消防出初式を開催しました。
この合同消防出初式は、令和5年の年頭にあたり崇高な消防使命の自覚を新たにし、枚方市消防団・寝屋川市消防団・枚方寝屋川消防組合の団結をさらに強固とするとともに、枚方市・寝屋川市の広域消防力を市民の皆さんへ示し、併せて警火心を喚起することを目的としております。
今日の新型コロナウイルス感染症蔓延のため、令和2年の出初式を最後に、長らく開催を見送っておりましたが、実に3年ぶりの開催となりました。
リハーサルも実施
出初式開催に先立ち、前日の1月7日(土)にリハーサルが行われ、翌日の出初式に万全を期するため、車両部隊及び放水部隊等が同会場に参集をし、入念に動作等の確認を行いながら練習に励みました。
小雨が降り続く寒空のもとリハーサルに臨んだ団員は、陽が傾く夕方まで練習を繰り返し行い完成度を高めていきました。
放水部隊の機関員は、可搬ポンプの機関(エンジン)に不具合が生じていないかなど異変に注意しながら操作を行います。
それと同時に筒先や筒先補助担当者の安全確保や周囲の安全確認を常に行い、異常を認めた時は躊躇(ちゅうちょ)することなく機関や吐出を停止させるなど、最も安全と認められる方法によって機宜(きぎ)の処置を行います。
筒先担当者は、高圧となる水の圧力に耐える姿勢をとり、筒先補助者は筒先担当者の姿勢が保持出来る様に努めます。
安全が確保できたら、次に筒先担当者は筒先(管槍)の状態を確認し通水に備えます。
その後、号令と共に放水を開始しますが、この時、水が織りなす軌跡が美しく見える様に角度を約75度に合わせます。
放水した水をかぶりながらの活動であるため、視界も遮られ困難極まりない状況ですが、放水部隊は誇りをもって取り組みます。
この日は悪天候の中にあっても、集合からセッティングまで一連の流れを3回の練習を繰り返し行いました。
車両部隊は、緊急灯や赤色灯、サイレン、ヘッドライト等の操作手順に誤りがないかを確認し、指揮者の号令とのタイミングを図り、サイレンの吹鳴(すいめい)や赤色灯を動作させます。
一糸乱れぬ動作が求められるため、車両部隊の乗務員は機器操作に集中します。
第一部「式典」
枚方市消防団 年頭式
枚方市消防団では、合同消防出初式開催前に集結し、枚方市消防団の年頭式を行い、伏見隆枚方市長ならびに上田治央消防団長より年頭の挨拶ならびに訓示を受けました。
上田団長から団員に対して、以前は火災の対応だけを行っておけば、消防団としての責務を果たせたのも今は昔、近年迫り来ると言われる大型地震が発生した時、枚方市消防団としてどの様に対応していくのか...それらの取り組みを数年前からスタートさせ、今年度は水の災害が発生した時の団として対応を模索し、新たな訓練も始めた事について触れ、枚方市消防団は災害に対し全方位的に対応できる事、そして市民の皆さんへ役に立つ、役に立てる枚方市消防団を目指して行くとの決意と挨拶がありました。
その後、昨年度から創設された消防団長特別表彰の授与式が執り行われました。
枚方市消防団長特別表彰
この消防団長特別表彰は、昨年度から創設された枚方市消防団独自の表彰制度であり、今回で2回目の表彰式となります。
枚方市消防団に所属する団員が、消防団活動以外で救命や救助等を行い社会に貢献した場合や枚方市消防団に対し特に功績が認められた団員に表彰が贈られるものです。
そして本年度は、津田分団所属の団員1名に対し功績を認め、上田団長から感謝の念が伝えられると共に表彰状が授与されました。
合同消防出初式開式
10時00分より合同消防出初式が開式され、視閲者である枚方市 伏見市長と寝屋川市 広瀬市長に枚方寝屋川消防組合 藤中消防長、枚方市消防団 上田団長、寝屋川市消防団 中谷団長が人員並びに機械器具の報告を行います。
上田団長から枚方市消防団出動人員450名、出動車両42台の報告がなされました。
消防庁長官からのメッセージ
消防庁長官からお祝いのメッセージが届けられます。
時間になると何処からなく飛んできた大阪市消防局の消防ヘリが、淀川アクアシアターの上空を幾度か旋回を行い、地上からの合図を示す大きな赤旗が振られると、決められていた地点へ見事にメッセージを投下して行きました。
メッセージは地上へ到達後、すぐに回収され枚方寝屋川消防組合の藤中消防長に手渡されました。
その後、司会者により消防庁長官のメッセージが代読披露され、会場内に設けられた祝辞掲出コーナーにも掲出されました。
そして多くの関係者ならびに来場者が閲覧しました。
車両部隊サイレン一斉吹鳴
車両部隊は、枚方寝屋川消防組合の車両部隊長の「車両部隊乗車」の号令により乗車し、消防車のエンジンを始動させ、ヘッドライト、緊急灯及び赤色灯を点灯させサイレンを一斉に吹鳴(すいめい)させます。
このサイレン一斉吹鳴(すいめい)は、令和5年においても更に消防防災活動に邁進する決意を表明するものです。
サイレン吹鳴(すいめい)終了後、会場からは大きな拍手と歓声に包まれました。
徒歩部隊分列行進
枚方市消防団の徒歩部隊約300人が分列行進を行い式典会場へ入場します。
視閲台の前では、指揮者である分団長と小隊長の副分団長が、視閲者へ敬礼を行います。
視閲台と来場者の前を行進し、淀川アクアシアターに到着した徒歩部隊は、定められた場所に整列します。
全ての隊の分列行進が終われば、続いて国旗掲揚と消防殉職者に黙祷が捧げられます。
消防殉職者に哀悼の意を捧げたのち、枚方寝屋川消防組合管理者の年頭の辞と御来賓から御祝辞を頂戴しました。
訓練披露
訓練披露として救助訓練と一斉放水が行われました。
救助訓練は、枚方寝屋川消防組合の救助隊により、一斉放水は枚方市消防団、寝屋川市消防団の放水部隊と枚方寝屋川消防組合のポンプ車によって行われました。
救助訓練
救助訓練は、枚方寝屋川消防組合の枚方署、枚方東署、寝屋川署に所属する救助隊からの選抜者で編成された混成部隊で実施されました。
こちらの混成部隊は、災害出動しない週休日の隊員で構成されています。
ひとつひとつの華麗な演技のあとには、観覧席から多くの拍手と歓声がおくられ、会場を大きく盛り上げました。
またそれと同時に観客席から市民を命懸けで守って頂いている事に感謝する言葉も聞かれました。
一斉放水
一斉放水は各分団から招集された放水部隊員によって行われ、枚方市消防団は放水隊長 柿木副団長の指揮のもと、津田分団 山村部長が放水部隊副隊長として現場の指揮を執りました。
放水部隊は、枚方寝屋川消防組合の車両部隊長の「一斉放水開始」及び「赤旗」による合図により放水を開始します。
筒先担当者は筒先角度約75度を維持し、機関員はポンプ圧力を約0.4MPaに保つ様、可搬ポンプの操作を行い、水の美しい軌跡を作り出します。
今回、式典開始から雲が広がり、どんよりとした空模様でしたが、放水部隊が配置に就く数分前から奇跡的に太陽の光が差し込み、放水により噴霧された水と陽の光により、美しい虹が会場に現れ、その場に居合わせた全ての人たちに感動を与えました。
▲放水中の動画です。(音がでます)
消防団員表彰
枚方市消防団員表彰として、枚方市長表彰と枚方市消防団長表彰の授与が行われました。
令和4年度枚方市長表彰の受章者は11名の団員が選ばれ、氷室分団 山口副分団長が代表受章者として伏見市長より表彰状の授与を受けました。
枚方市消防団長表彰の受章者は23名の団員が選ばれ、山田分団 奥野班長が代表受章者を務め、上田団長より表彰状の授与を受けました。
受章された団員の氏名は、枚方市消防団年頭式において読み上げられ、視閲台付近に設けられた閲覧コーナーにおいても掲出されました。
第一部 閉式
すべての式典項目が滞りなく終了し、最後に国旗降納に対し敬意を払いました。
そして、総指揮者の「別れ」の号令で各部隊は解散し、無事に令和5年の合同消防出初式第一部の幕が降ろされました。
第二部「市民の集い」
第二部は、防火や防災、救命救急にかかわる展示ブースを開設し、市民の皆さんに普段では体験する事出来ないようなイベントを開催することによって『消防』に親しみを持って頂き、楽しく学んで頂きました。
また同時に、現役の消防車や救急車など数種類の緊急自動車を展示・開放し、市民の皆さんの集いの場としました。
第二部 各種イベントを開催
展示ブースは、
枚方市消防団コーナー
AED胸骨圧迫体験コーナー
住宅用火災警報器啓発コーナー
火事のことわざを学ぼうコーナー
消防指令センター展示コーナー
の5つのブースを開設しました。
枚方市消防団コーナー
枚方市消防団も展示コーナーを出展、消防団員を募集するためのプロモーション映像を上映したほか、ローリングストックの解説として実物の食品等も展示し、備蓄保存食についての説明を行いました。
●枚方市消防団コーナーで上映を行ったプロモーション映像はこちらをご覧ください。(音が出ます)
枚方市消防団コーナーの前では、枚方市消防団広報部の団員が消防団員募集のチラシや特製ポケットティッシュの配布を行い、消防団の入団をお願いしました。
AED胸骨圧迫体験コーナー
AED胸骨圧迫体験コーナーでは、女性分団の団員が技術指導を行いました。
老若男女を問わず大勢の方にお越し頂きましたが、今回は特に小学生や未就学児の小さな子どもさんが多く、担当した団員は分かりやすく説明する様に心がけました。
各種展示・体験コーナー
実物の消防車、救急車等を使用したコーナーでは、
梯子(はしご)車搭乗コーナー
ミニ消防車乗車コーナー
放水体験コーナー
消防車両展示コーナー
地震体験コーナー
が用意され、早朝から多くの方にお越し頂き、会場は熱気に包まれました。
梯子(はしご)車搭乗コーナーでは、枚方寝屋川消防組合枚方署渚出張所に所属する梯子(はしご)車が登場し、この梯子(はしご)車先端のバスケットを利用して搭乗体験が行われました。
朝から長蛇の列となりましたが、搭乗された皆さんは一様に喜んでおられました。
現役の消防車や救急車はどの車両も大人気!子どもから大人まで興味深々です。
現在、救急車の出動回数や要請場所への到着時間が伸びる傾向にあります。
市民の皆さまには救急車運用の現状を知ってを頂き、救急車の適正利用にご理解とご協力をお願いしました。
地震体験コーナーでは、起震車による地震体験をして頂きました。
この起震車は、地震に近い揺れを発生させる事ができる装置をトラックのシャーシに架装し、震度1から震度7までの揺れを発生させる事ができ、防災のイベント会場や自主防災訓練の開催会場等へ巡回を行い、大勢の皆さんに地震の疑似体験をして頂ける車両です。
体験された方からは「本当に怖かった」や「何もできなかった」「地震を少し甘く考えていたかもしれない」などの感想も聞かれました。
2台の防火広報車でミニ消防車でもある消太号と消子号が赤色灯を回しながら市民の皆さんを乗せて円周走行しました。
手動式のサイレンを自分の手で回して吹鳴(すいめい)させる事ができる優れもの!子どもさんも大喜びでした。
小さな子どもさんに人気を博した、枚方寝屋川消防組合のゆるキャラ「カンチくん」可愛らしいキャラクターでありながら心強いキャラクターです。
住宅用火災警報器設置の流布に一役を担ってくれました。
放水体験コーナーでは、枚方寝屋川消防組合所属のポンプ車2台を用いて放水の体験を行いました。
子どもさんたちは、水の圧力にビックリしながらも遠くまで飛ぶ水を見て喜んでいました。
この放水体験をきっかけに、将来有望な消防団員や消防士が誕生してくれる事を願ってやみません。
広域消防力の強化に努めます
令和5年の合同消防出初式に、枚方市消防団、寝屋川市消防団、枚方寝屋川消防組合から合わせて延べ1,200人近くの団員、職員が出動しました。
今回出動した者はもとより、枚方市消防団、寝屋川市消防団、枚方寝屋川消防組合で従事する者は崇高な消防使命の自覚を新たにし、団結を強固たるものにして枚方市並びに寝屋川市の広域消防力を市民の皆さんに示し、更なる相互協力体制の確立と地域の消防・防災力強化に努め、両市民の皆さんの生命と財産を守るために広域消防力の強化に努めてまいります。