本部 女性分団 研修

第29回全国女性消防団員活性化とちぎ大会に参加しました。

「とち乙女♡から広げよう!未来を担う地域防災の力」

令和6年9月19日(木)栃木県宇都宮市ライトキューブ宇都宮にて「とち乙女♡から広げよう!未来を担う地域防災の力」をテーマに、第29回全国女性消防団員活性化とちぎ大会が開催され、全国から女性消防団員をはじめ消防関係者およそ3,200人が集結、枚方市消防団から中団長・井上副団長・女性分団 田代分団長・矢追副分団長・山﨑団員の5名が参加しました。

この大会は、全国の女性消防団員が一堂に集い、日頃の活動や取り組みについて情報交換・交流を通じて幅広い知識と視野を習得し、女性消防団員の活動をより活性化させ、地域防災力の向上を図ることを目的に平成6年から開催されています。

活動事例発表

舞台では、5つの活動事例発表が行なわれました。

岐阜県 可児市女性消防分団 「ジブンゴト化を目指した私達の啓発活動 ーアラコとトイレー

女性へのAED(自動体外式除細動器)使用について学校での心肺停止事例を調査した結果、高校生に対するAED使用率が男性より女性が低いことに着目、研究をした結果、電極パッドを素肌に貼る際に
衣服を脱がすことにためらいがあるのではないか?⇒全部脱がす必要があるのか?
また、応急処置中のスマホによる動画撮影防止や素肌を出すことへの周囲の目の配慮も必要ではないか?などの問題点があがった。

問題に対し、既存の訓練用人形では女性へ対応するイメージが難しいため、リアルにイメージできるようにと制作した「アラコ」(制作者のお名前からネーミング)を紹介いただきました。

女性の半数はAEDを使用しなかったという回答

「アラコ」が横たわる姿は女性そのもの・・・
「アラコ」を起用した効果は、女性傷病者を想像しやすく、電極パッドを直接素肌に貼るために「衣服を全部脱がさないといけない」という思い込みがあったが、一部衣服をめくるだけでも可能であることや、処置中に露出した肌が見えないように壁を作る、電極パッド装着後に上着をかけるなど傷病者への配慮の必要性など受講者自身が気付くことが多くなった。
そして、実際のイメージがリアルに持てるようになり、自分にもできることがあるという意識の変化をもたらしたと発表いただきました。

また、災害時の「トイレ問題」に着目し、簡易トイレの使い方を実際に見て・体験してもらう活動を進めているという内容でした。

栃木県 宇都宮市消防団 心肺蘇生体操~こんなときは~

AEDの使用方法と心肺蘇生の手順を分かりやすく覚えるために考案した「心肺蘇生体操~こんなときは~」を団員皆さんに披露していただきました。
槇原敬之さんの「どんなときも」の楽曲に乗せた振り付けと替え歌で、誰でも親しみやすく、市内のイベントや防災訓練をはじめ、幼稚園・小学校の防災教室などで披露しているとのことです。

京都府 京都市山科消防団 世代を超えたSDGsの防火・防災活動

「誰一人取り残さない」をモットーにSDGsを根幹にした防火・防災活動を実施。
一人暮らしの高齢者住宅訪問時や講習会では消防団で作成した「防火チェック表」を渡し予防を呼びかけている。
「やましな防災ソング」で年齢を問わず一緒に歌って踊れる啓発ソングを作成され、舞台で披露いただきました。
性別を問わず能力や可能性を発揮できる防災活動を目指していると発表されました。

青森県 弘前市消防団女性分団 自分の命を守るために~備えて損なし からぶりでもいいから~

市内中学校・高校や企業での救命講習会や学校や公共施設などで防火・防災教室を開催。
防火のみならず、台風・水害・地震など多様な災害に対し「伝える」だけではなく「考えてもらう」防災教室を実施されています。

刻々と進む状況の変化このときあなたは避難する?避難しない?」を考える水害編の劇を披露。
ある家庭の一員になったつもりで、入ってくる情報や周りの状況の変化を第一段階~第四段階に設定し、どんどん進む被害に対し自分だったらどうするか?を考えます。
どの段階でどのような判断をするか?家族それぞれの立場と心境の変化は?など、時系列ですすめる事で陥りやすい考えや、その時に取るべき対応・行動が見えてきます。

自分にとって都合の悪い情報は無視したり、事態を過小評価する「これぐらいは大したことではない、自分は大丈夫」という「正常性バイアス」による逃げ遅れや、最悪の事態になることを無くすために客観的にみて考える防災教育はとても参考になりました。

愛知県 瀬戸市消防団女性分団 私たち瀬戸市消防団 女性分団Setoつばっきぃ!!

住宅用火災警報器の全戸訪問点検や応急講習受講者年間3,000人を目標に、消防署職員と共に応急講習やパネルシアターで防災活動を行なっています。
また、消防団員募集活動としてイベントでのビラ配り、入団説明会、SNSでのPR活動の他、ラッパ隊や災害時の情報収集などを行なうための「赤バイ隊」があり、女性団員も所属しているそうです。

防火防災啓発劇の発表

和歌山県 紀の川市消防団 稲むらの火

1854年安政南海地震で大津波が和歌山県広川町を襲った際、村人の救援に翻弄した濱口梧陵(はまぐち ごりょう)の実話に基づいた「稲むらの火」の物語を披露していただきました。

稲むら(稲束を積み重ねたもの)に火を放ち、この火を目印に村人を誘導、安全な場所に避難させ、被災者の救済や村の復興、防波堤の築造にも奮闘された人物で、地震後の津波への警戒と早期避難の重要性、人命救助のための犠牲的精神を伝える物語です。

香川県 善通寺市消防団 南海トラフ地震 その日に備えて

南海トラフ巨大地震はいつ起こるかわかりません、自分たちの命を守るために災害時に役立つ知識や情報、防災訓練の重要性について分かりやすく楽しく伝わる啓発劇でした。

活動事例PR展示コーナー

各団の活動事例PR展示コーナーの様子です。今後の活動の参考にするために情報収集は必須です。
枚方市のコーナーも、皆さん興味深く見ていただけました。

個性あふれる展示による活動報告は見応えたっぷり!
女性の特徴を生かした活動も多く、地域への深い愛情と同じ志を持つ仲間がそれぞれの地域で奮闘している姿は、とても励みになりました。

第30回開催地は長崎県

第30回全国女性消防団員活性化大会は、令和7年11月13日(木)長崎県出島メッセ長崎で開催されます。
さらにパワーアップした皆さん、そして新しい仲間と出会えることを楽しみにしています。

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