樟葉分団 訓練

第71回 文化財防火デーに伴う消防訓練を交野天神社で実施しました。

枚方市PR大使 樟葉宮表参道商店会オリジナルキャラクター みっけちゃんも訓練に参加!!

第71回 文化財防火デーに伴う消防訓練

中消防団長へ訓練開始報告を行う樟葉分団 大豊分団長

令和8年1月24日(土)、枚方市楠葉丘2丁目に継体天皇樟葉宮跡伝承地として伝えられる交野天神社おいて、第71回文化財防火デーに伴う消防訓練が実施されました。

この文化財防火デーに伴う消防訓練は、文化財を所有している対象物を再認識し、また文化財を火災から守るための防火推進運動として消防訓練を実施し、枚方市民の文化財保護意識と防火意識の高揚を図ることを目的としています。

今回、交野天神社の社務所内給湯室から出火し、関係者による初期消火を試みるも消火することが出来ず、その後火の勢いは増し本殿に延焼の危険があるという訓練想定で実施されました。

発煙発見と初期消火を開始

境内に立ち込める訓練用の煙幕

訓練が開始されると、すぐさま訓練用の煙幕が焚かれ、境内に白煙が立ち込め始めます。

発煙により出火を覚知した神社の宮司と関係者は、すぐさま社務所に備え付けられている消火器を携行し出火元へ急行します。

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消火器2本をもって出火元の消火を試みますが、火の勢いを衰えさせる事は出来ず、初期消火は失敗に終わります。

消火器で消火する事が困難と判断した宮司と関係者は、すぐさま安全な位置へ避難すると共に宮司は電話機へ駆け寄ります。

迅速な119番通報

白煙の中で119番通報を行う宮司

電話機の設置場所へ到着すると、冷静に消防署へ119番通報を行い、わかっている状況を的確に電話の向こうで対応する消防指令員へ伝えました。

この通話の交信内容は、拡声スピーカーを通して、交野天神社境内の見学者、訓練参加者にも聞く事が出来る様に配慮されました。

枚方市消防団 樟葉分団が到着

隘路である参道から本殿へ向けて緊急走行を行う樟葉分団の小型消防車

119番通報から間もなく、第一出動として出動指令が下された、枚方市消防団 樟葉分団と枚方寝屋川消防本部の指揮隊、樟葉消防小隊、枚方東救助小隊が到着します。

神社という環境により、いくつもの鳥居の建立がされており、枚方寝屋川消防本部の大型消防車の走行が困難を極める中、先に軽自動車に消火ポンプを架装した消防団所属の消防車が本殿手前まで最接近し、消火の準備に取り掛かります。

消防車から迅速に消防ホースを延長し、ホース先端部を持って前方へ疾走する団員

4名の団員は、決められた役割により素早く配置に着きます。
2名の団員が、消防ポンプを起動させ水源より消火水を確保し、2名の団員が消防用ホースを順番に延長させ、出火元の社務所へ向けて近づきます。

手際よく消防ホースを連結し、素早く消火態勢に入ります

そして枚方寝屋川消防本部の消防隊も到着し、放水の準備にかかります。

続々と現場に集結する枚方寝屋川消防組合の救助隊員と消防隊員

救助隊は、要救助者の情報が不明という訓練想定のため、境内に救助を必要とする者がいないか検索する準備と御神体の搬出準備に取り掛かります。

消火活動を開始

社務所に向けて放水を開始する団員

消防団と消防署の消防隊は二手に分かれて、社務所の消火にあたります。

消防団は社務所南側から、消防署は北側から放水をします

放水により社務所の火の勢いが弱まり、鎮圧の確認がとれると今度は本殿に向けて放水を開始します。

本殿延焼防止と御神体の保護

本殿に向けて放水を開始します

本殿に向けて放水を開始します。
この間に救助隊は、要救助者の検索を行うと共に、焼損を免れた御神体(御神体に見立てた訓練用の模造品)を搬出します。

特殊な消火器具を用いて消火水噴霧防御も行います

消防団員、消防隊の放水による消火活動に加勢して、本殿前に特殊な消火設備を配置し、消火水を噴霧させ水幕をつくります。

消火完了!「重要な文化財を守りきる!!」

見学者の皆様の前でガッツポーズ!

そして無事に火を完全に消火させ、人命に被害が出る事もなく御神体を保護した消防団員と消防隊員、救助隊員は、ご来場の見学者の皆様にむけて勝利の「ガッツポーズ」で任務を完遂したことを報告します。

訓練終了

訓練終了式に臨む中団長と団員・隊員

消防訓練が無事に終わると、その場で訓練終了式が執り行われます。

樟葉分団の指揮を執る大豊分団長より中消防団長に向けて訓練終了報告がなされました。

樟葉分団総指揮者 大豊分団長

関係者の御挨拶

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交野天神社 片岡宮司様より御挨拶と訓練に対し御礼のお言葉を頂戴致しました。

枚方市役所観光にぎわい部 富田部長より御挨拶を頂き、火災の頻発や自然災害が猛威をふるうこの日本の中で、文化財の保護にどう向き合うかという重要性等のお話しを頂きました。

消防署長の訓練講評と御礼の御挨拶

枚方東消防署 清水署長

枚方寝屋川消防組合 枚方東消防署 清水署長より今回の訓練の講評と本日の訓練に参加御協力を頂きました皆様へ御礼の御挨拶がありました。

消防団員、消防職員への講評のほか、交野天神社の関係者の方、見学者の方に向けて、今回の訓練想定では、初期消火は失敗という設定であったが、やはり初期消火の状況で消火を完了する事が非常に望ましく、常日頃から火災に対する心構えをもって頂きたいとお願いすると共に、本日の訓練に参加ご協力をいただきました皆様にお礼を申し上げました。

見学者への御挨拶

見学者にむけて御挨拶される片岡宮司

今回の訓練に延べ200名以上の見学者の方に御来社頂き、国民の財産である文化財を守るという概念から訓練の重要性に付いてご理解を頂けた事に対し、片岡宮司より見学者の方々へ御礼の言葉が述べられました。

消火器の解説と使用体験

消火器と初期消火について説明を行う消防署員

訓練終了後は、初期消火の重要性と消火器の取扱い方について説明があり、その後、訓練用の水消火器を用いて消火器の使用体験会が行われました。

今回は、特に小学生ぐらいの皆さんに率先して手を挙げて頂き、消火器の仕組みを触って頂いた上で学んでもらい、持ち出しから噴射までの一連の操作を体験して頂きました。

貴重な文化財と残された自然を守るために

市街地中心部であることを忘れさせる緑豊かな境内の杜

今回、訓練の舞台として御協力を頂きました交野天神社は、枚方市の中心部と匹敵する人口を擁す楠葉地区にあり、周辺には高層建物や大型複合商業施設が立ち並び、住宅街としても大規模的に都市形成がなされている地区です。

ここを管轄とする枚方市消防団 樟葉分団は、地域の特性上、通常は市街地や繁華街、河川敷に於ける火災対応の任務を主としていますが、山林と変わらぬ環境の交野天神社境内の森と同様な自然林が存在する以上は、訓練として時に枚方市東部の山間部へ赴き、山林火災の対応能力を高める訓練を行ない、都市部に残された豊かな自然と貴重な文化財を守るべく日夜任務に励んでおります。

●山林火災防ぎょ訓練の様子は、こちらをご覧下さい。

かたのあまつかみのやしろ
交 野 天 神 社

桓武(かんむ)天皇は、延暦6年(787年)、長岡京の南郊の地を選び、郊祀壇(こうしだん)を設けて、父光仁(こうにん)天皇を天神(あまつかみ)として祀りました。
これは、中国の皇帝が毎年冬至に都の南に天壇(てんだん)を設けて、天帝(てんてい)を祀る例にならったもので、交野天神社の起源はこの郊祀壇にあると伝えられています。
主祭神は光仁天皇で、天児屋根命(あめのこやねのみこと)菅原道真公(すがはらみちざねこう)が合祀されています。

交野天神社本殿は、一間社流造、檜皮葺(ひわたぶき)で、鎌倉時代の嘉禎4年(1238年)と室町時代の応永9年(1402年)に修理され、嘉吉2年(1442年)鎧葺(よろいぶき)を檜皮葺に改めました。
全体の外観は雄大な手法で鎌倉時代の様式を残し、蟇股(かえるまた)等の彫刻は、繊細で美しいものが多く室町時代初期の特色を備えております。

本殿前に設けられた解説板

現在、交野天神社は氏子約450名、総代約30名の方々によって支えられ、昭和25年(1950年)に国の重要文化財に指定されました。

国指定重要文化財
八幡神社

交野天神社本殿(左側) 末社 八幡神社本殿(右側)

誉田和気命(ほむたわけのみこと)を祀る末社八幡神社本殿は、造営年代は交野天神社よりやや下がるもので、小規模で簡素な造りになっています。
構造や形状は交野天神社と等しく、向拝(こうはい)の蟇股や欄間(らんま)の透彫(すかしほり)に見るべきものがあります。

本殿の隣に祀られる御社

昭和39年(1964年)に国の重要文化財に指定され、嘉禎4年、応永9年の棟札(むなふだ)と嘉吉2年の棟札が今も残っています。

市指定有形文化財
貴船神社

深い新緑の中、天然石の階段先に鎮座する貴船神社

継帯天皇が即位した樟葉宮の宮跡を祈念するために、当地の氏子である高龗神(たかおかみのかみ)をこの地に移して祀ったのが、貴船神社の起源といわれています。

貴船神社はまた雨乞いの神様で、早天の時、雨乞いの祈りをすると、慈雨が降ったと言い伝えられています。

社殿の建立年代は不明ですが、一間社流造、檜皮葺で、建築様式から桃山時代に遡る遺構と見られております。

平成16年(2004年)4月1日に枚方市の有形文化財に指定されました。

末社 貴船神社

交野天神社を北極点として壮大な円形星図が交野が原に描かれたと木内鶴彦氏著書。
交野枚方を流れる天野川あたりは、古くから『天の川伝説』が語り継がれ、七夕伝説の発祥の地であるとも言われてきました。
交野天神社継体天皇伝承地あたりが、中心点(北極点)であると推測されています。

継体天皇樟葉宮跡伝承地

貴船神社が鎮座する小丘の麓にある石碑
石碑の隣に設けられた解説板

『日本書紀』は、越前三国にいた男大王(おおどのおう)が樟葉で西暦507年即位して継体天皇となり、5年にわたり宮を営んだと記されています。

樟葉宮跡の位置は不明ですが、交野天神社の社に囲まれた末社貴船神社が鎮座する小丘付近が仮の推定地とされ、小丘の麓に「此附近継體天皇樟葉宮址」の石碑が立っており、昭和46年(1971年)大阪府文化財保護条例により史跡に指定されました。

境内に設けられた解説板

関白左大臣 一条実経(いちじょうさねつね 1223年~1284年)は、次の歌を詠んでおります。

『続古今和歌集(しょくこきんわかしゅう)』

枚方八景 樟葉宮跡の杜

境内への表参道

昭和59年(1984年)に枚方市の市制35年を記念して「ふるさと枚方」らしい風景を将来に伝承していく事を目的に枚方八景が制定されました。

枚方八景と樟葉宮跡の杜に付いて説明をする解説板

枚方八景のひとつ「樟葉宮跡の杜(くずはのみやあとのもり)」は、訪れる人を今もなお、遠く古代に誘い込むかの様に木々が生い茂っております。

アクセス

所在地:大阪府枚方市楠葉丘2丁目19-1

交通機関最寄駅・最寄停留所
京阪電車樟葉駅から約2㎞・徒歩25分
京阪バス京阪樟葉駅より男山東右回り・泉回り・男山北右回り循環

丸尾停留所から徒歩7分
京阪バス京阪樟葉駅・京阪橋本駅より

長沢停留所から徒歩7分

今回、枚方市消防団の交野天神社 文化財防火デー消防訓練に伴う広報取材に於きまして、全面的なご協力ならびにご配慮、資料等のご提供を賜りました交野天神社宮司 片岡様ならびに関係者の皆様方には、この場をお借り致しまして厚く御礼を申し上げます。

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