活性化検討委員会 防災講演 本部 研修

大阪府消防団充実強化研究会に参加しました。

 去る、令和7年2月15日マイドームおおさかに於いて「令和6年度大阪府消防団充実強化研究会」が開催され、消防団員確保に向けた取組み事例の成果発表がなされました。

【日程】
1.10時00分 開会・挨拶
2.10時05分 第1部 基調講演
        消防団等充実強化アドバイザー 加藤 實氏
3.11時25分 第2部 事例発表
       ①高石市消防団 小谷分団長
        大阪府における女性消防団員の現状
       ②松原市消防団 芝池団長
        消防団員入団促進への取り組み
       ③枚方市消防団 井上副団長
        活性化検討委員会活動について
4.12時40分 閉会

基調講演

演台に立ち熱弁を振るわれる加藤氏

『自助』としての活動を

 基調講演に立たれた加藤氏は、消防庁消防団等充実強化アドバイザーの肩書を持たれる一方、災害ボランティア・コーディネーターでもあります。

当日の配布資料の冒頭には、「火災発生に加え、全国各地で地震や風水害等の大規模災害が激甚化・頻発化する中、地域住民の生命・身体財産を災害から保護する地域防災力の重要性がさらに増している。」とあり、特に消防団は、地域防災力の中核として、更なる充実強化に向け取り組む必要があると続けてありました。

また、加藤氏は災害現場での消防団の活動にも触れられ、自分及び家族・友人等の生命・身体・財産を守るには、誰かが何かをしてくれる的な共助に頼るのではなく、『自助』としての活動をすることが一番の有効であることを住民に認識させる取り組みが有効であるとして、消防団は、『共助』ではなく、『自助』の一つとの捉え方が求められると強調されました。

事例発表

高石市消防団

高石市消防団 小谷分団長

多様な人材の確保を

基調講演の後、高石市消防団と松原市消防団による取り組み事例の発表がありました。

高石市消防団の小谷分団長からは、現在の消防団員には従来の消火・救助活動に加え、避難誘導や避難所運営支援活動等、多様な役割が求められることから地域住民の安心・安全の確保のためにも新たな担い手となる多様な人材の確保が必要であるとされました。

今はジェンダーフリーとも言われる時代で、確かに男女の垣根を超え、お互いを尊重し合い、共に現場活動を相互に協力して行っていくことが求められているのではないでしょうか。

松原市消防団

松原市消防団 芝池団長

消防団の力向上モデル事業を活用され

続く松原市消防団 芝池団長からは市内各種イベントへ積極的に参加し、そこで行った募集活動により新入団員確保の実績を地道に積み上げてきた一方、市内の小学校(全15校)を対象として、令和4年度から3か年計画で出前授業や体験授業を実施されており、次世代の消防団員育成事業を展開する取り組みも積み重ねておられます。

枚方市消防団

枚方市消防団 井上 誠二 副団長
会場のスクリーンに映し出される枚方市消防団の成果概要

団員一人ひとりの声に耳を傾けることから

 枚方市消防団からは、活性化検討委員会活動について井上副団長が発表しました。
現在、委員会を構成するのは正副団長7名、分団長11名、事務局(危機管理対策推進室)2名の計20名です。
本市においても消防団員の減少状況は改善しない傾向にあります。

委員会では、その現状を把握して課題を抽出し、優先順位が高いと思われることから実施策を検討して試行しようとしています。
これにあたっては、団員一人ひとりが枚方市消防団について、どんな想いを持っているかを知る必要があるとしてGoogleフォームでアンケートを実施しました。
内容は、「入団のきっかけ」「どんなやりがいを感じているか」「どんなことが嫌か」「継続して意欲的に活動できるための改善案は」等、率直な意見が別紙にまとめられ、当日資料として出席者全員に配布されました。

成果発表担当の井上副団長(写真右)とパソコン操作のアシストを担当する杉本副団長(写真左)

短期重点実施計画を立て、既に実行に移したことが幾つかありますが、これからが本番です。
中期・長期計画を整理し、団員個々の満足度が向上するような取り組みを継続して行い、退団率の軽減に努めてまいります。

●成果発表の動画はこちらをご覧下さい。(YouTube 音が出ます)

活動の充実感がやがて…

加藤氏の基調講演の資料の末尾に、消防団活動は「住民の住民による住民のための安心安全活動」との認識を持ち、熱意と情熱を持つ人物による穏やかな(協調・同調を得る)姿勢による(お願いでなく対等の立場からの)交渉の頻度を多くして行うとありました。

新入団員募集活動も私たち現任の団員によるものです。
消防団員に求められる気力や体力といった様々な要素はありますが、今回取ったアンケートにより、団員は皆それぞれに仕事を持ち、また家族を持ち、そこにかける時間を大切にされていることを改めて思いました。

「地域防災力の中核は消防団」として、災害発生の際にはそれら普段から大切にしていることでさえ置いて出動することがあります。
私たちの消防団活動を笑顔で穏やかに市民の皆さまにお伝えできるよう、この委員会の取り組みがやがて活動の充実感となり、団員個々の心を少しずつ満たしていくことを願います。

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