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自衛消防組織による自主防災訓練を実施
枚方市内にあるマンションの自主防災委員の方々が独自で、地震発生から避難・招集までのシナリオと役割担当など、細かく設定した内容で訓練を行ない、毎年充実した防災訓練を実施されています。
今年度はコロナ対策のもと、自衛消防組織を中心とした自治会役員・防災委員・緊急時災害ボランティアに限定した訓練を開催。
消火活動等も行い、周りの人たちと助け合う『共助』の大切さを知る訓練となりました。
訓練は朝8時45分より開始し、災害対策本部へ緊急招集。
・DVDによる家具転倒防止対策を視聴
・AEDを使った救命講習
・消火器を使った消火訓練
を実施しました。
そして、この訓練のうち枚方市消防団は「心肺蘇生法とAED操作の訓練」を担当させて頂きました。
心肺蘇生法とAED操作訓練
救命講習会受講の経験者も参加されており、忘れがちな『周囲の安全確認』をしっかり行ない、胸骨圧迫の『押して!戻して!』も完璧!とても良い見本となっていただきました。
また枚方市内に於ける救急車の年間出動件数が約2万件という事実に驚き、直ぐに出動可能な救急車が無い場合は、消防車がAEDを持って出動する『PA連携(消防車と救急車の連携出動)』の話にみなさん関心を持ち「なるほど!」という納得の声も
- 周囲の安全確認
- 反応を確認する
- 大声で助けを呼ぶ
- 119番通報で救急車要請🚑とAED(自動体外式除細動器)の手配を依頼する
- 呼吸の確認(コロナ対策も併せて実施)
- 胸骨圧迫
- AEDの電源を入れる
- 電極パッドを貼る
- 心電図の解析後に電気ショック(除細動)
- 電気ショック後の様子を確認、必要に応じて胸骨圧迫を再開
倒れている人を発見し、救急隊が到着するまでの一連の流れをデモンストレーションと説明を聞いた後、3つのグループに分かれて
・発見者
・119番通報で救急車の要請、AEDを確保し操作する者
・協力者
の三つの役割に分担し、皆さん意欲的に訓練に取り組まれていました。
胸骨圧迫は1人では「絶対できないわ〜」の声
救急車が到着するまで、周りの方と協力し絶え間なく行なう事の大切さと要点をお伝えしました。
胸骨圧迫を続けることで、後遺症の軽減や社会復帰に近づける事ができるかも知れません。
今回受講された方が、ご家族や友人知人、周りの方々により多くAEDを使った心肺蘇生法を継承いただけたらと願います。
消火訓練
消火訓練では、普段の生活のなかで特に起こりうる可能性が高い『天ぷら火災』を想定した訓練を行い、実際に植物油を加熱し発火した状態の天ぷら鍋に向けて、家庭用エアゾール式簡易消火具を使用し消火して頂きました。
なかなか消火する事が困難な「油火災」を確実に消火させるため、油火災における特異性を説明し、消火のコツを掴んで頂きました。
次にカーテンに引火した場合の体験をして頂きました。
下から上へと縦に燃え広がる事が多いカーテンの火災、消火するコツをお伝えするとともに、自身の身長をも超える様な大きな炎が立った場合は、初期消火は諦めてすぐに炎から離れ、退避する事も重要であるとお伝えしました。
消火訓練の最後は、マンション各所に配備されている蓄圧式粉末消火器(粉末ABC消火器)を実際に噴射させ、噴射圧力や噴射時間の体感、消火薬剤が繁吹く状態、消火薬剤噴射後の視界等、普段ではなかなか経験する機会が少ない訓練を体験して頂きました。
防災意識を高める事が重要
そして訓練がすべて終了した後、マンションの防火管理者より訓練の講評と女性分団班長の総評を受け自主防災訓練の終了となりました。
集合住宅居住者による「共助」の訓練として組織化した素晴らしい内容で、参加した私たち消防団員も違う視線から大変勉強になりました。
定期的な訓練が、日頃からの防災意欲を高めることにも繋がります。
多くの地域で自主防災訓練が開催されることが「防災・減災」につながる大切な取り組みとなり、安全安心な街づくりの基礎となる事をお伝えしました。